弁護士 猪野亨のブログ |

このブログは12月17日に閉鎖となります。 移転先 http://inotoru.blog.fc2.com/

繰り返される自動車による事故とスポーツカー

2013.09.25 Wed

09:48:03

 また登校中の児童の列に暴走した自動車が突っ込み、重大な結果が発生しました。
 何故、このようなことが繰り返されるのでしょうか。
 今回の運転者は18歳であり、やはり若年者です。
 今回のこの少年に対する怒りなどの感情が沸き上がっていくことでしょう。また厳罰を求める声が大きくなっていくことでしょう。

 しかし、実際にこの少年を厳罰にしたからといって、児童が元通りになるわけでありません。また、このような厳罰には予防効果はなく、また同じような事故が繰り返されることでしょう。
 厳罰によってこの問題を解決するという発想自体は転換されなければなりません。

 今回の事故で不思議に思ったのは、少年が運転していた自動車がスポーツカータイプの普通乗用車だということです。
 新車か中古かはわかりませんが、かなり性能の良い自動車なのでしょうか、価格もかなりのものではないかと思われます。
 一昔前であれば、誰もで信販会社のローンが通る時代がありました。但し、(連帯)保証人は必要でしたが、だいたいが親族がなっていました。
 若年者でありながら数百万円のローンを組めてしまっていたというものです。もちろん、少なくない若者が支払不能となり、破産するなり、親が保証人として返済したりという状況に陥っていました。
 その際のローンの役割は高級自動車を買うことができるようにするということです。車を売る手段がローンだったわけです。
 現在はかなりこのローンの審査が厳しくなっていますが、若年者がこのような高額な自動車を保有しているということ自体に私は違和感があります。何故、この少年は、このような自動車を所有できたのかという点。

 また高級スポーツカー自体に対する違和感です。
 アクセルを踏みすぎたというのが少年の供述なようですが、かなり加速も良いのでしょう。すぐにスピードが出るような自動車が本当に日常生活の中で必要なのかどうか。
 自動車が売れればいいという発想があり、しかも利幅の大きいスポーツカータイプが売れるようにするためには日常生活とは全く無縁のスピードや加速などが追求されてきました。日本の道路で100キロを超えて走ることができる道路などないにも関わらず、スピードメーターは200キロを超えたような自動車など日本には全く必要がないにも関わらず製造販売されているという怪現象。速度リミッターがついているとはいえ、いかにもスピードを煽るような商品は問題があります。
自動車は売れれば良いという発想 車社会からの転換
 若年者であるだけでも保険料は高額になるのに、スポーツカータイプであれば車両保険自体が高額となりますが、初めから事故が起きることが高い確率で想定されているようなもので、明らかにおかしい。
 以前、保険担当者に聞いた話ですが、若年者のスポーツカータイプの車両保険は、年額何十万円の保険料を取っても割に合わないということでした。多分に感覚的な話だとは思いますが、1年もたたないで車を全損させてしまうなどということになれば必然的に保険料が上がり、ひいては無保険(車両保険は入らず、対人無制限には入るのだろうか。)になりがちです。特に高額の自動車を購入すると、そのローンやら維持費やらでカネが掛かる、他方で若年者はそもそもの収入が少ないことから任意保険に加入しない場合が必然的に生じてきます。

 報道によれば、少年はドリフト走行をしていた可能性が高いということでもありました。
 通常、軽自動車でドリフト走行をすることはありません。スポーツカーならではないかと思います。
 ドリフト走行のような無謀な走行をする場合には、夜間など郊外で行われるものと思われますが(そういう連中のたまり場になっている場所には近づきたくないものだし、警察当局にはきちんと取り締まってもらいたいものです。)、少年の運動が仮にドリフト走行であるならば、朝の時間帯に行うのは、通勤・通学の人たちが大勢いる中で行うということで、注目を集めたいという動機ではないかと思われます。
 もともと高級車やスポーツカー自体に、そのような見栄の固まりの象徴のよう性質があります。
 一般道を走行していても、このような高級車やスポーツカーに煽られた、どけどけというような運転をされた経験を持たれた方は少なくないと思います。
 本当に不快感しかありません。普通車とはいえ大型の車両で煽るような人自体、人としてどうにもならない人たちですが(高級車やスポーツカーに乗っているだけで自分が偉くなったとでも錯覚している人もいるようです。)、それを煽っているのが高級車やスポーツカー自体とも言えます。

 高級車やスポーツカーが売れなくなってきた?
 いいことじゃないですか。こういうものに乗っている人たちがますます特殊な人たちということになるでしょう。さらに一層、売れなくなること間違いなしです。
 少年によるまたという事件ですが、やはり自動車そのものの持つ意味を考えた方がよいということです。

 そのような無謀な走行の仕方をするのは一部の者だけだ、高級車やスポーツカーに問題があるわけではないという反論も聞こえてきそうですが、売れなくなってきたものにしがみつくような擁護論にはあまり意味がなく、上記のような弊害ばかりか燃費の問題も含め、高級車やスポーツカーって何だろうと考え直した方がよいです。それにしがみついている自分がいるんじゃないかという視点で。
 それは少年の注目を浴びたいがためのドリフト走行をしたという発想と紙一重です。


ブログランキングに登録しています。
クリックをお願いいたします。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

オススメ情報

コメント

7059

刑罰なんて別に抑止だけが目的ではない。
犯した罪の報いと考えれば、罪の大小に応じて、罰の軽重も決まるのもある程度説明できる。


>高級車やスポーツカーって何だろうと考え直した方

一般的には仰るとおり、自分の社会的ステータスを示すものでしょう。したがって、ライバル商品はむしろ高級ブランドの腕時計とか、豪邸といった類でしょう。実際にいいものであることは間違いないので、それを買えるのに買うなというのも無謀でしょう。
ドリフト走行は運転テクニックを見せびらかすためなので、高級車でなければ普通の車でもやるでしょう。改造車というものあります。

全体のため、個人の自由を抑圧する考えに賛同はできません。高級車を買うことにとやかく言われる筋合いはないでしょう。

7060

フェアレディZには当然トラクションコントロールが標準装備されているから素人にドリフトなんてできないはず。

7062 自動車好きは絶滅危惧種

ナウでヤングな人にとって、自家用車を保有することは時代遅れです。公共交通機関の発達した地域に住み、自転車すら持たないことが一般的になりつつあるので、自動車会社の未来は暗いです。現在日本に8社も9社もある自動車会社は、3社位しか生き残れないことを自覚すべきです。

7065 さえています、陸奥の防人さん

「ナウでヤング」という言葉って何か懐かしいですね。
でも、おっしゃっていることはごもっともだと思います。
ご高名な経済評論家の女性がおっしゃってましたよ。「交通機関を利用して、自家用車は持たないというのが経済的には賢いし、トレンドだ」と。
 そして、そういう人は確実に増えてきています。
 ガソリン消費量や二酸化炭素排出量も減るし、自動車会社以外にとっては、いいことづくめですよね。
 もちろん、交通事故や渋滞も回避できますよね。
 絶滅危惧種というのはオーバーかと思いますが、自家用車を持たない、乗らない合理的な人が増えてくれるといいなあと思います。

 ななちゃん、あいかわらず、かわいいです。猫って本当に狭いところに潜り込むのが好きですね♡

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURLはこちら