弁護士 猪野亨のブログ |

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小林正啓先生 責任あるご意見をお願いします

2013.05.20 Mon

09:37:55

 小林正啓弁護士が、中坊公平氏をA級戦犯と評した人たちに対し、薄っぺらと評価し、しかし、その内容たるや、あたかも中坊氏が司法試験年間合格者数3000人以上の激増を防いだかのような主張をしています。
中坊公平氏死去
 それについては、私は、「「3000人」増員を招いたA級戦犯は誰だ 当然、中坊公平氏もその一人」で批判しました
 私がこの記事をエントリーした動機は、小林先生が、上記のエントリーで、「「中坊のせいで(司法試験合格者年)3000人政策が決まった」とか、「司法改革のA級戦犯」といった薄っぺらな批判なら、しない方がマシだ。」などと「薄っぺらな批判」などと記載されたからです。なので、私は敢えて中坊氏がA級戦犯であるという主張をしました。

 小林先生に言わせれば、この激増を招いた原因は、
「「800人の5年間据え置き」を決議した平成7年12月21日の日弁連臨時総会決議が、全てをブチ壊したのである。これにより日弁連は、「ギルド社会の既得権擁護の思い上がり」という非難にさらされ、国民から支持されなくなり、発言力を失って、当事者の椅子から引きずり下ろされることになり、その後1000人→1500人と続く法曹増員政策に歯止めをかけることができなくなる。中坊公平が3000人を提唱した平成11年(1999年)当時、経済界や法曹界の一部には、5000人、6000人を主張する勢力がいたことも忘れてはならない。中坊公平が3000人で収めなければ、6000人になっていたかもしれないという議論も、あながち嘘ではない。」
の部分に集約されます。

 しかし、前掲、小林先生の記事のコメント欄をご覧ください。M.T.さんから
中坊公平が3000人を提唱した平成11年(1999年)当時、経済界や法曹界の一部には、5000人、6000人を主張する勢力がいたことも忘れてはならない。」
 という勢力を具体的に示すよう質問をされているにもかかわらず、小林先生は、答えられないのです。
 示せたのは1つだけ。
 矢口元最高裁長官が4000人と言った
 それだけです。

 これが相当な「圧力」なんだそうです。だから中坊氏が3000人を主導したことによって、3000人以上の激増を防げたといわんばかりの立論です。
 その元長官も最高裁は法務省の意を受けたものではないのに、です。

 ここまで中坊氏を擁護するのは、はっきりもしています。宇都宮健児元会長以外の日弁連路線を擁護するためです。小林先生は「擁護」などしていない! と言うでしょうが、評価としては立派な擁護です。
 前回の日弁連会長選挙の大阪での公聴会では、山岸現会長の応援演説をしているところからも(それ以前は宮崎誠元日弁連会長)、その動機はよくわかります。

 私は、小林先生のブログで以下の指摘をしました。
「小林先生
 「矢口の発言が「増員圧力」と考える理由はすでに述べたとおりですし」ということですが、どこにも述べられていません。
 むしろ、先生は、何故、これが圧力にならないのかと開き直っていらっしゃいます。
 毎日新聞に掲載されただけで「圧力」というのでしょうか。
 矢口元長官(先の私のコメントは、「矢口長官」と記載されていました。誤りです。)は、影響力があるということを指しているのであれば、全く理由が付されていません。結論のみの記載です。
 「法曹一元と絡めると、なぜ増員圧力にならないか、規制緩和の視点となぜ違うのかに至っては、その論理がさっぱり分かりません。どんな理由だろうが視点だろうが、「司法試験合格者を増やせ」と言うことは(強弱の差こそあれ)増員圧力です。しかも、矢口は規制緩和も明言しているのに、その文字は見えないのですか。」
 という部分も部分的に「規制緩和」だと言ってみたところで、法曹一元だなどという主張を絡めては、その時点で終わりです。先生が日弁連に対して、よく主張されているように実現の見込みもない法曹一元なるものをくっつけた時点で相手にはされません。
 ましてや、4000人だという数字、しかも、計算上でしか出てこない数字をもってして大増員への圧力だというご主張は、それ自体、未だ一定の政治勢力となっていない場合、一元長官の発言をもって「圧力」というには飛躍がありすぎます。
 先生は、中坊公平氏がA級戦犯という主張を薄っぺらと評されていますが、先生の論法は、中坊が言う前から、5000人、6000人という規制緩和に基づく圧力があり、中坊が3000人と言わなければ、もしかするとそれ以上の数字になっていたかもしれない、というものです。
 そうであれば、それを「阻止」しなければならないほどの「圧力」があったということを論証しなければ、先生の主張は前提を欠くことになります。
「「誰に対する圧力か」という質問は意味が分かりません。私は単純に、「司法試験合格者を増員する圧力」という意味で使っています。」
の部分にしても、「誰」というものが全くないなどということがあり得るのでしょうか。それでは単なる意見表明のレベルではないですか。
 そもそも、中坊が言い出す前の「圧力」は、毎日新聞に掲載された元長官の発言だけですか。それ以外にもありそうですが(私のブログで紹介した「堀田力・法務大臣官房長(当時)の記事)、それが主流であるということが論証されなければ先生の立論は成り立ちません。
 もっといえば、宮内氏らの規制改革委員会は後に9000人だ、12000人だなどとはしゃいだ発言を始めますが、それまでの財界は、経済同友会が抽象的な増員を述べているだけで、それ以上の要求が財界から出されているという状況ではありません。要は切実な要求としてです。結局、財界からの需要がなかったことをみても明らかです。
 一部のグローバル化した企業の担当者からの浮かれたヒアリングはありましたが、それ以上のものはなく、誰もがこの大増員は一体誰の利益のためだったんでしょうねというのが現実でしょう。規制緩和の視点に立ったとしてもです。
 米国からの要求ということであれば、政府も財界も非常に大きな「圧力」と感じるでしょうが、一元長官の私的発言がなぜ、「圧力」と言えるのか、先生のご見解は、論理的に破綻しています。」

 これについては、小林先生は一言のみ。
猪野先生のご指摘は、特に反論を繰り返す必要を感じませんので、ご意見として拝聴しておきます。」

 う〜ん。困りましたね。「繰り返す必要」って、これまでも何も反論していないでしょ。あるいはM.T.さんの質問にも答えていないでしょ。
 反論できるはずもないでしょうね。現執行部路線の擁護という結論ありきが動機なのでしょうから。
「中坊公平が3000人を提唱した平成11年(1999年)当時、経済界や法曹界の一部には、5000人、6000人を主張する勢力がいたことも忘れてはならない。」
 この部分を具体的に説明できない限りは、ご自身の主張が成り立たないということは自覚された方がよいでしょう。とっくに自覚されているかな。
 まあ要は、小林先生の「特に反論を繰り返す必要を感じません」は破綻を認めたことと同義ですね。
 それにしても日弁連執行部派の人たちって、対応は同じです。すぐ逃げるのが特徴です。
法科大学院制度の是非 何故、推進派は議論を避けるのか。」


 MTさんへの反論もはっきりとずれいていますので、この場で指摘しておきましょう。
(MTさん自身が反論されると思いますけれど)

「M.T.さん
私からすれば、なぜ日弁連(執行部)が誰からどんな圧力を受けていたのか、という疑問にこだわること自体、理解できません。
もしかして、M.T.さんは、日弁連(執行部)が、誰かから圧力を受けて、その圧力に(不当にも)屈したため、3000人計画が実現した、とお考えなのですか?もしそうであるとすれば、その考えは間違いです。」

 日弁連が激増路線に舵を切ったのは何故か。
 「圧力」にこだわっているのは、むしろ小林先生です。すり替えの議論をしてはいけません。
 MTさんの意見(コメント)をみても圧力がどこにあったんだという疑問を小林先生にぶつけているわけです。
 要は、そんなものは存在していないし、中坊氏も日弁連執行部も、自ら進んで激増路線を受けて入れているのです。従って、「圧力」なんて存在しなくて良いのです。
 しかし、小林先生は違う。
 3000人以上の「圧力」があったから、それを阻止し得たといわんばかりの主張であり、その「圧力」にこだわっているのは小林先生なのです。
 論理というよりは「推測」でしょうね、このような「推測」をするのは勝手ですが、他人に対し、A級戦犯というのは「薄っぺら」と批判するのであれば、もっと責任ある発言をしてもらいたいものです
 多分、小林先生がターゲットにしたのは、これですね。
司法改革の「A級戦犯」逝く」(黒猫のつぶやき)
 黒猫さんもご自身が反論もされています。
司法改革の「A級戦犯」は誰か?」

 とはいえ、小林先生の『こんな日弁連に誰がした』は、画期的な著作だったと思います。


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コメント

6189

私も小林弁護士の『こん日』は画期的な著作だったと思います。
しかし、何やら「政治力」というものに取り付かれているのか、きな臭い動きをされる方だなと。
小林弁護士は、今の日弁連についても、会長候補の応援演説をなさったりしてコミットメントされておられるようですけど、敗戦処理のなかではまだマシなのを選ぼう、もう負けは負けという立場なんだろうか。。

6249

小林先生のコメント欄を見れば、小林先生の論が理論的に破綻していることは明らかです。
猪野先生や寺本先生の反論や問いかけに確実に言い負けてますから。

6255

 結局、小林先生って、最初に主張していたことと、後の主張がはっきりとずれてしまっているんですよね。

 あそこまでして中坊氏を擁護したい気持ちがわかりません。

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