弁護士 猪野亨のブログ |

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医学部新設は医師確保に有益か

2010.06.21 Mon

23:38:04

 北海道新聞2010年6月20日付朝刊に、「医学部新設は医師確保に有益か」と題して、今井浩三氏(東大医科学研究所病院)と福田諭氏(北大病院長)が討論をしています。
 その中で、今井浩三氏は、「既に医学部がある札幌と旭川以外に医学部をつくれば、地域医療の重要性をより効果的に教えられ、過疎地域で働く医師を生む、より良い環境が期待できます。」だそうです。その根拠としてなのか、効果なのか、「札幌、旭川以外に医学部ができれば、地域で養成した医師を周辺病院に派遣する重要拠点」になる、あるいは、「育ったまちの医学部に入り、そこで地域医療の重要性を学べば、地域で働く人も多くなる」だそうです。

 しかし、何の根拠もないことです。今井浩三氏が認めるように「医学部の定員増は都市の医師を増やす」だそうで、地方での医師不足には医学部の定員増は全く役に立ちませんでした。
 しかも、今回の医学部新設計画があるのは、石狩管内当別町と函館市だそうで、函館もそうですが、当別はほとんど札幌圏内であり、どの程度、地方といえるのか疑問です。医学部の定員増とどの程度違うと言えるのでしょうか。
 また、「地域医療の重要性」とはどのように教育を行うのか、全く抽象的です。一体、どのような教育を受けると、無医村で献身的になるのでしょうか。洗脳教育でしょうか。
 地方に医師が不足しているのは、何も地域医療の重要性がわからないからではなく、都市部に集中する原因があるからです。経済的な問題、医療技術の問題、激務などの問題があるわけですから、単なる精神論を垂れることには何の意味もありません
 どこに医学部ができようとも、結局、入りやすい医学部として都市部の医学部希望者に利用されるだけであり、医師の質を落とすことにもつながりかねません。
 医学部の定員増が失敗なら、医学部新設という発想自体、無能をさらけ出しているようなものです。

 福田諭氏は、医学部新設に疑問を呈せられ、そこに使われるお金を地域医療、勤務医の待遇改善に使うべきと主張していますが、誠にもって正論と思います。

 同じ問題が弁護士人口激増と法科大学院制度にも当てはまります。


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